販売促進の基本

執筆担当

村山 浩宜(Hirotaka Murayama)

中小企業診断士・VEスペシャリスト

 

プロフィール

1965年東京生まれ、地方育ち(岩手から熊本まで)
中堅商社、化粧品会社などを経て2013年独立。おうめ創業支援センターでは、水曜日・木曜日に相談員を担当している。



第4回 販売促進を設計する(その3)

販売促進の設計とはどういうことか・・・

今回はもう少し詳しく見ていきます。

 

<今回のテーマ>

1.客数を考える

2.客単価を考える


1.客数を考える

前回までに3つの視点を解説しました。今回はもう少し詳しく見ていきます。


売上を分解すると大きく客数×単価になりますが、まずは客数です。

お客様と言っても様々で、その分類の仕方は色々とあるのですが、シンプルに下図で考えてみましょう。

いつものお客様と言うのは、常連さんです。あなたのお店に対する満足度が高いので、飽きさせない仕組みを考え、さらなるリピートを促したり、積極的に口コミして頂く工夫が必要です。

→ 絆を深め、他店への移行を防ぐ。

 

時々利用するお客様は、常連予備軍です。

リピートしてもらうためには高い満足度を与える必要があります。

→ お店のウリや特徴を強調し、良さを知っていただいて常連に育てる。

 

お店に来たことがないお客様。

そもそもあなたのお店を知らない人、知っているけど何となく最初の来店を躊躇している人などですが、来店のきっかけを作ることが必要です。

→ お店を知ってもらい、一度は利用してみたいと思わせる特徴をアピールする。

 

一般的に上の階層ほどお客様は少ないのですが、あなたのお店の課題はどこにありますか?

2.客単価を考える

次に単価です。
単価は商品単価×買上点数です。これも解決したい内容によって手法が変わってきます。以下は一例です。

 

グレード付け販売
昔から寿司屋などで使われてきた「松竹梅」。人間の心理として「上中下」の3つがあると「中」を選択しやすいので、一番売りたい価格帯を「竹」に設定します。

また、無条件で高い物を購入する人たちは、「松」を選択するので、客単価は上がります。なお、価格を3つに絞ると選択しやすいという効果もあります。

 

バンドル販売
バンドルとは「かたまり」という意味です。商品を個々でなく複数まとめて販売する方法です。通常は1個当たりの単価が安くなるので、お得感が出ます。サロン系のお店のセット販売(回数券や○○放題など)も同様ですが、個々の単価は下がるので、お店の格が下がらない工夫が必要です。


限定商品の販売
限定品で、数が少なく手が込んでいれば、高単価での販売が可能になります。
限定品というだけで引き付けられる人が多いので、顧客へのアピールがしやすい販促手法と言えます。

 

販促手法については、本を読んだりネットで検索すれば色々と出てきます。

繰り返しになりますが、自分のお店の課題を明確にして、狙いをもって販促手段を決めることが大切です。



第3回 販売促進を設計する(その2)

今回は前回の続きです。販売促進3つの視点、競合と自社について解説します。

 

<今回のテーマ>

1.販促3つの視点(競合)

2.販促3つの視点(自社)

 


1.販促3つの視点(競合)

競合で真っ先に思い浮かぶのは同業者ですが、同業以外も競合になり得ます。例えばパン屋さん。手軽に食べられるという意味で考えると、パンに限らないので、ファストフード店やコンビニも競合です。

 

一方、同業でも顧客層や価格帯が違うと競合にならないケースがあります。

私が働いていた化粧品業界、狙うターゲット層が違えば商品が競合することはありません。

前回のコラムで、「販促の目的は、お客様に、競合ではなく、自分のお店を選んでもらうこと」、とお伝えしました。

ですから、商圏内の競合と考えられるお店のことを知る必要があります。


具体的には、営業時間・定休日・従業員数・店舗レイアウトなどの概要、品揃えの幅と深さ、人気商品と価格帯などの商品情報、顧客層や接客レベルなどの顧客管理、どの様な販促をやっているか・・等々、競合店に直接行けないような場合でも、HPや評判など、ある程度は調べられるものです。

2.販促3つの視点(自社)

最後に自分のお店についてです。販促を実施する前に、現状を把握して、今回の販促で何をどうしたいのか、そして目標値を決めることが大切です。

 

販促の最終目的は売上(&利益)を上げることですが、売上のどこを上げるのか決める必要があります。また、生産や販売のオペレーションに問題がないか確認しておくことも肝要です。大きな販促を実施すれば、それなりの集客は見込めますが、オペレーションが追い付かず、お客様に不快な思いをさせては逆効果です。

 

上図は売上を分解したものですが、どこに課題があってどうしたいのかによって、販促の方法も変わってきます。

 

販促を実施する時は、「当店の認知度を上げる」「既存顧客の来店頻度を上げる」「いつもより一品多く買ってもらう」など、狙いを定めないと、その後の反省もできないということを覚えておきましょう。



第2回 販売促進を設計する(その1)

販売促進で効果を上げるためには、狙い(目標)を定めて実施し、検証・改善していくことが大切です。今回は販促の設計について学びます。

 

<今回のテーマ>

1.自店の位置づけ

2.販促3つの視点(顧客)

 


1.自店の位置づけ

販促を設計する前提として、まずは自店の位置づけを明確にしておくことが大切です。
自店の位置づけとは何でしょうか?

事業ドメインとも言われますが、「誰に」「何を」「どのように提供するのか」ということです。


この「誰に、何を、どのように」は、ビジネスの様々な場面で適用できる基本的なフレームワークです。

具体的には、次のような観点で整理します。

 

誰に:ターゲット顧客は誰か(性別や年齢、職業、収入、家族構成の他、価値観や趣向など)
何を:商品は何か、顧客に与える価値は何か
どのように:販売方法・提供方法、問題解決の方法、商品価値の伝え方

 

 

基本に立ち返ることで、
自分のお店を見直し、現状の整理ができます。
やること、やらないこと、が明確になります。
方向性が見いだせるので、ブレがなくなります。

 

2.販促3つの視点(顧客)

自分のお店の位置づけを確認したうえで、具体的な販促を検討します。ここで、考えなくてはならないのが、顧客・競合・自社の3つの視点です。


何か当たり前ですが、販促の目的は、お客様に、競合ではなく、自分のお店を選んでもらうことです。

では、顧客から見ていきましょう。

ここで言う、「顧客」は事業ドメインの「誰に」をさらに絞り込んだものと考えて下さい。

つまり、今回の販促で獲得したいお客様です。


ターゲットの絞り込みというと、多くの方が、皆に来店して欲しい、買って欲しいと言いますが、全ての人にアピールする販促はありません。

 

例えば、お店に来たことがない人への認知を目的とするのか、時々来店するお客様の頻度を高めるのかで、手法も違ってきます。


次回は、競合と自社について解説します。



第1回 販売促進の基本を知る

企業が存続していくためには利益をあげることが必須です。そのためには少ない費用で収益を最大化させなくてはいけません。今回のシリーズでは、実践で役立つ販促の基本的な考え方学びます。

 

<今回のテーマ>

1.販売促進とは何か?

2.大切な3つのM

 


1.販売促進とは何か?

今回のテーマは販売促進。略して販促とも言われますが、似たような意味で広告宣伝や営業などがあります。

最初に少し整理しておきましょう。

 

広告宣伝は「商品やサービスそのものの良さを伝えたり、イメージを伝える活動」

販売促進は「お客さまに商品やサービスを購入して頂くための『きっかけ』をつくる活動」

営業は「お客様に直接話しかけるなどして最後の決定を後押しする活動」です。

 

私の前職は化粧品会社でしたが、新商品の発売前から様々な媒体を使ってイメージを伝え、発売後はキャンペーンを打ってお客様を呼び込み、店頭での親切な接客で販売に繋げるという感じです。

 また、マーケティングという言葉を聞いたことがある人も多いと思います。定義は色々とありますが、マーケティングはこれら一連の活動と覚えておけば十分です。

 

いずれにしても最終的な目的は売上をあげることです。本コラムでは、販売促進の基本について解説していきます。 

2.大切な3つのM

販売促進の方法やツールは様々です。

例えば、チラシ、DM、イベント、店頭キャンペーン、POP、のぼり、メルマガ、ニュースレター、お試し体験などなど・・・

チラシ一つとっても、ポスティングなのか、新聞折り込みなのか、手配りなのかで、意味合いは大きく異なります。また、これをやれば必ず売れるというものでもありません。大切なのは、お客様に如何に訴えるかということです。

 

そこで重要になるのが3Mという視点です。

3Mとは

狙ったお客様に(Market)

響くメッセージを(Message)

最適な手段(Media)

で伝えることです。

3つのMが揃わないと、売上には繋がりません。

3Mについては改めて解説しますので、覚えておきましょう。