必ず必要な販路開拓

執筆担当

杉野 喜久(Yoshihisa Sugino)

インキュベーション・マネージャー

 

プロフィール

長年、繊維関係の業界に従事し、営業・商品企画・生産管理・販売管理・発注仕入管理・総務・経理等の職務を経験。平成22年独立、経営コンサルタントとして、経営改善、創業支援、事業承継等に携わる。


第2回 営業力を身に着けるには

営業力は、人間力、知識、スキル、業務遂行能力の4つの能力に区分することができ、それらの総合力が営業力を構成しています。


<今回のテーマ>
1.人間力とは
顧客の「あるべき姿」の実現と、営業目標達成の両立を行う自律的行動力
2.知識を磨く
営業活動を円滑に進めるための知識
社会や顧客、自社や他社、ITや業務についての知識

 


1.人間力とは

2017年の中小企業白書の資料で、高成長型企業が各成長段階で必要とする人材として営業・販売人材が求められています。

前回、営業力は、人間力、知識、スキル、業務遂行能力の4つの能力に区分することができ、その中でも特に重要なのが人間力だとお話ししました。

 

人間力とは、顧客の言われるままに何かをすることではなく、顧客の課題が何か、あるいはニーズが何かを理解し、真に顧客の幸せは何かを考えることの出来る能力。

 

具体的には、次のようなことができる能力です。

 

・顧客に好かれる
・目標達成に強い意欲を持つ
・目標意識を持って積極的に行動する
・自分の役割を認識して責任を持って行動する
・進捗段階に応じた業務が遂行でき、進捗や結果を把
 握し報告が出来る
・顧客/同僚との信頼関係を構築・維持できる

 

 

2.知識を磨く

顧客に相談され、頼られるようになることは、営業活動を円滑に進める上で、是非とも必要なことです。それには、「知識」がなくてはなりません。

 

顧客の聞きたいことに応えられることも大切ですが、顧客が何を考え、何を必要としているかを推し量り、顧客が知りたいことを先んじて提供することや、顧客の話を聞いて、それを整理整頓し、どこに課題があり、何を必要としているのかを探り出せなくてはなりません。

 

自社の商品やサービスの知識だけでは不十分です。自分の関わるビジネス領域について広い知識、経営や業務、社会についての知識、自分が関わる専門領域についての深い知識が必要です。

 

具体的には、次のようなことができる能力です。

 

・顧客との会話を深める
・戦略立案や提案策定の基盤とする
・取引上の契約や手続きを円滑に進める
  


第1回 創業で苦労することは?

東京商工会議所が発表した「創業の実態に関する調査報告書」のデータから抽出した、創業で苦労した「販路開拓」について解説します。


<今回のテーマ>
1.販路開拓の難しさ
アンケート調査から見えてくるものがあります
販路開拓に必要なものとは何でしょうか?
2.営業力を分解する
黒字にするためには時間がかかります
営業力を身に着けるために必要なスキルとは何でしょうか?

 


1.販路開拓の難しさ

東京商工会議所が発表した「創業の実態に関する調査報告書」のデータをご紹介します。この調査は、創業6か月以上5年以内の東証会員企業を対象に実施したアンケート調査です。

 

創業後、2社に1社以上が「資金調達」と「販路開拓」と「人材確保」に苦労した(苦労している)と回答しています。「資金」と「販路」と「人材確保」が創業後の課題だというのは全体に共通しています。

 

売上を伸ばし、販路を開拓するためには何が必要なのでしょうか?それは営業力です。


業種によって違いますが、販売業を例に取ると、製品が良ければ売れるという時代は終わりました。製品が良いということは大前提で、それをきちんと顧客に訴求しなければならないということなのです。


この「製品をきちんと顧客に訴求する」ことが、営業の役割と言えるでしょう。ラッキーではなく、自分の力で、どのような状況にあっても、営業目標を継続して達成し続ける能力です。


営業の仕事は、顧客価値の実現と引き替えに、売上や利益を獲得することです。また、同時に「顧客満足」の提供と引き替えに、顧客の信頼を獲得し、良好な関係を維持することでもあります。このようなことができる能力を営業力と言います。

 

2.営業力を分解する

業歴別でいえば、1年目は65%近くの企業が赤字ですが、2年目になると赤字企業の割合はほぼ半減し、3年目以降になると黒字の割合が多くなります。
これは、起業家の営業努力の結果です。起業家が営業力を身に着け、顧客を開拓し、売り上げを上げたから達成できた成果です。

 

 

では、どうしたら営業スキルを習得できるのでしょうか?営業力は、なにかひとつの能力に秀でているからといって実現できるものではありません。いろいろな能力の総合力です。例えば、プレゼンテーションがうまくできるから、継続的に売上目標を達成できるというものではありません。


営業力は、人間力、知識、スキル、業務遂行能力の4つの能力に区分することができ、それらの総合力が営業力を構成しています。


その中で、最も重要なスキルが人間力だと言われています。人間力は、誰かにやらされるのではなく、自らの意志で、目標を達成することを楽しめる力と言い換えることもできるでしょう。また、人との係わりを楽しみ、人に好感を持たれることも必要です。


ヒューマンスキルとも言われますが、このような能力は、営業固有のものではなく、広く社会人として求められる能力といってもいいでしょう。この能力を土台として、営業固有の能力を築く必要があります。