Webの知識と活用法

執筆担当

発知 健太郎(Kentaro Hotchi) 

中小企業診断士

 

プロフィール

1976年生まれ 青梅市出身
大学卒業後、環境調査会社で営業を経験。高齢者・障害者福祉施設での現場経験を経て、児童福祉事業を目的とした知創株式会社を設立。青梅市内に児童福祉施設を3事業所運営すると共に、おうめ創業支援センターで相談員を担当している。

 



第2回 トリプルメディア戦略

前回は、広告費の推移や消費者購買行動の変化からウェブマーケティングの必要性を見てきました。
第二回の今回から、具体的なウェブマーケティングについて、話を進めていきます。

<今回のテーマ>

1.トリプルメディア戦略とは
ウェブマーケティングを成功させるための戦略について見ていきます。

2.戦略の核となるオウンドメディア
核となるオウンドメディア(自社サイトなど)と、そこに顧客を導くためのメディアを紹介します。


1.トリプルメディア戦略とは

自社サイトなどの「オウンドメディア」、リスティング広告などの「ペイドメディア」、SNSなどの「アーンドメディア」の3つを組み合わせて行うウェブマーケティングを「トリプルメディア戦略」と言います。

 

もちろんどれか一つ(単独)でも顧客にリーチすることは可能ですが、3つを目的に合わせてバランスよく組み合わせることで、より効果的なウェブマーケティングが可能になります。
なぜなら各メディアによって役割(目的)が異なるからです。

 

自社サイトなどのオウンドメディアは、自らが運営・発信するメディアであるため、文字数や画像などを制限なく自由に掲載できるメリットがあります。しかし、消費者に「認知」してもらうまで時間がかかるというデメリットがあります。

 

一方のリスティング広告などのペイドメディアは、検索エンジンの上部に表示させることが出来るため、「認知」を促すことが可能ですが、費用がかかります。

 

SNSなどのアーンドメディアは、無料で使えるものが多く、何といっても「拡散」という強い武器により、顧客の幅を広げることが可能ですが、掲載できる情報量が限られています。

 

ですから、これら3つのメリットを組み合わせることによって、ウェブマーケティングの成功確率が高まる訳です。

2.戦略の核となるオウンドメディア

もう少しオウンドメディアを掘り下げて見ていきましょう。オウンドメディアとは、自らが運営・管理(Owned)するメディアであり、自社サイトやブログがこれに当たります。ただし、外部ブログはオウンドメディアではありません。


自らでサーバーをレンタル、独自ドメインを取得し、運営管理するサイトやブログが該当します。
オウンドメディアはトリプルメディアの中核をなし、いわば「ネット上の店舗」のようなものです。

 

実際の店舗を想像していただければ解りやすいと思います。「店舗のデザインをどうしよう」「品揃えはどうしよう」「店内のレイアウトはどうしよう」と店舗の制約はあるにせよ自由に設定できると思います。


そして無事に店舗を開業できたとして、それを顧客にどう知らしめますか?
チラシをまいたり、ポスティングをしたりと、様々な宣伝広告を検討すると思います。


ウェブマーケティングにおいても全く同じことが言えます。オウンドメディアであるホームページを開設したとしても、それだけでは顧客はそれを知りません。
ですから、「認知」や「拡散」を促すペイドメディアやアーンドメディアを活用してトリプルメディアでウェブマーケティングを行うべきなのです。


合わせて、紙媒体(チラシや名刺)で自社サイトへの導線を作っておくことも効果的です。



第1回 集客に必要なIT技術

昨今注目されているWebマーケティングについて、その必要性と根拠を解説します。

<今回のテーマ>

1.Webマーケティングの必要性
広告費の推移を見ながら、なぜ集客にWebマーケティングが必要なのか見ていきます。

2.消費者の購買行動の変化
AIDMAモデルとAISASモデルという2つのモデルを紹介し、その変化について解説します。


1.Webマーケティングの必要性

まず初めに、日本における広告費の推移(2005-2014年)を見ていきます。

 

 

既存のマスメディアであるマスコミ4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)の広告費が(波はあるにせよ)ほぼ横ばいであるのに対し、インターネット広告費だけが右肩上がりなのが見て取れると思います。
皆さまも一消費者として見れば、近ごろ何かを買う時の情報収集にWebを活用することが多いのではないでしょうか。


中には、「買い物は店舗ではなく、すべてネットショップで済ましている」なんて方もいるかもしれません。


企業側から見れば、このような消費者のトレンドを無視するわけにはいきません。
どれほどいい商品・サービスを持っていても、それを消費者に認知してもらえなければ、買ってもらえないからです。


もちろん既存のマスメディアが不要と言っているわけではなく、Webマーケティングを併用することにより、より多くの顧客に、より豊富な情報提供が可能になるということです。


またWeb技術を活用すれば、特定の顧客のみに、非常に安価での広告も可能であり、莫大な広告費をかけられない中小企業や個人事業主にとって、Webマーケティングを活用しない手はないと考えます。

2.消費者の購買行動の変化

消費者の購買行動にも変化が表れました。
これまで、消費者が購買に至るまでAIDMAモデルという心理的プロセスをたどると言われてきました。


1.Attention(注目):テレビCMや雑誌などから商品の存在を「認知」し
2.Interest(興味):その商品を自分に関係あるものとして「興味」を示し
3.Desire(欲求):その商品が自分の役に立つモノとして「欲しい」と思い
4.Memory(記憶):その商品の販売実績を知ることで、それが「動機」へとつながり
5.Action(購買):販売店へ行って商品を購入する

 

インターネットの普及により、消費者の購買までの心理的プロセスにも変化が表れました。そこで1995年に電通によって提唱されたのがAISASモデルです。
AIDMAモデルとの違いは「Search(検索)」と「Share(共有)」です。


インターネットの検索エンジンやSNSの急速な普及により、一瞬で情報を取得可能となり、消費者の行動として、何かを買う時にはWebが関与するようになったのです。

ですから、Webを活用した広告が必要ですし、それを活用するためには、ある程度のIT技術が必要ということになります。


Webマーケティングの必要性については、お分かりいただけたと思いますので、次回からその具体的内容についてお話ししたいと思います。