SEO対策の基礎知識

執筆担当

酒井 恒(Hisashi Sakai)

中小企業診断士

 

プロフィール

1971年生まれ 福岡県北九州市出身
大学卒業後、印刷紙器業、人材広告業、経営コンサルタント業などを経験。前職では、安全衛生関連講習の講師を全国各地で年間100日以上こなす。おうめ創業支援センターでは金曜日に相談員を担当している。



第6回 ウェブ解析の設計とは③

前回はウェブ解析の設計②ということで、ユーザーエージェントとアクセス解析ツールの一部について説明してきました。今回はアクセス解析ツールの一部とユーザー情報の取得について確認したいと思います。必要とする情報を高い精度で取得するためには、事前の設定が不可欠です。まずは、設定における段階での必要な用語を学びましょう。

<今回のテーマ>

1.ウェブビーコン方式について

ウェブビーコンについて解説します
2.ユーザー情報の取得について

ユーザーを理解するための情報取得について解説します


1.ウェブビーコン方式とは

ウェブビーコン方式とは、配信するウェブサイトのページ(HTML)にウェブ解析用のJavaScriptを挿入し、アクセスログを解析サーバーに配信することでアクセス解析を行う手法のことをいいます。このようなJavaScriptは「計測コード」や「計測タグ」、「トラッキングコード」または「ウェブビーコン」と呼ぶこともあります。

 

 

「サーバーログ方式」、「パケットキャプチャ方式」は、元々、システム監視を目的に生まれた手法でしたが、このウェブビーコン方式は純粋にウェブマーケティングを目的に生まれた手法です。

 

一般的なクローラーはJavaScriptまで実行することが少ないため、ノンヒューマンアクセスを除外する効果ができると同時にサーバーログ方式やパケットキャプチャ方式では収集が難しかったキャッシュファイルの閲覧状況も細くできます。タグをカスタマイズしたり、タグマネジメントツールを使ったりすることで、より多くの情報を収集できる場合があります。

 

ただし、サーバーログ方式では、製品によっては、IPアドレスおよびファーストパーティクッキーでユーザーを特定している場合もあります。同様に、パケットキャプチャ方式でもIPアドレス、ファーストパーティクッキー、ヘッダー情報でユーザーを特定している場合もあります。

 

また、最近のログ方式、パケットキャプチャ方式のアクセス解析ツールはウェブビーコン方式の機能も併せて使うことで固有では取得できないデータの取得を可能にしています。

2.ユーザー情報の取得とは

よりよい施策や提案を行うには、ユーザーをより理解することが求められます。ユーザーを理解するには、アクセス解析ツールからより高い精度の情報を取得する必要があります。

 

ユーザーがサイトにアクセスした際、属性や行動履歴が記録されるものがあります。アクセスログに残るIPアドレスとユーザー行動の一部をブラウザに自動的に保存させる「Cookie(クッキー)」など、それぞれユーザーを識別するための重要な記録があります。

 

IPアドレスの活用
ウェブ解析ではIPアドレスはさまざまな場面で利用されます。例えば、グローバルIPアドレスは同一接続ポイントで同じになるという原則から、ホスト名を取得することで、ユーザーの組織名の判定や都道府県の判別に使用されます。


ユーザーの属性は、従来のアクセス解析ではログデータに基づくデータ取得しかできなかったのですが、最近はフォームに入力したデータを取り込み、そのデータを軸とした分析が可能となってきました。例えば、あるユーザーがウェブ上でメールマガジンなどに登録する際に入力した性別や年齢などの属性データを取得し、その属性を軸に分析を行うことができます。

 

クッキーから得られる情報
クッキーとはウェブサイトがブラウザを通じて訪問者のコンピューターにデータを一時的に発行し、保存させる仕組みです。クッキーに保存される情報には、最後にサイトを訪れた日時や訪問回数などがあり、ウェブ解析においてはユーザーの識別、ユニークアクセス・セッションの測定に使われ、ユーザー情報を取得するのに大変有効なものとなっています。

 

注意点として、クッキーはユーザー側で制限することが可能です。個人情報の観点からクッキーをオフにしているユーザーも多く存在するのが実情です。



第5回 ウェブ解析の設計とは②

前回はウェブ解析の設計①ということで、ウェブサイトの仕組みとローデータについて説明してきました。今回はユーザーエージェントとアクセス解析ツールの選定について確認したいと思います。ユーザーエージェントは文字通りユーザーがどのブラウザを使用しているかなどを知ることで適切なHPの誘導を行うことができ、ニーズの確認までつながります。

<今回のテーマ>

1.ユーザーエージェントについて

ユーザーエージェントについて解説します
2.アクセス解析ツールについて
アクセス解析ツールについて解説します


1.ユーザーエージェントについて

ユーザーエージェントとは、通信に利用するソフトウェアやハードウェアを識別する文字列で、アプリケーション名やオペレーティングシステム、それらのバージョン情報が含まれています。

 

検索エンジンのクローラー(後で解説)も独自の識別子を使用しています。携帯端末の機種名やブラウザー名の情報により、ウェブサーバーへのHTTPリクエストに対し、ユーザーの閲覧環境に最適なレンダリングデータ(OSやブラウザーに合わせてウェブサイトを表示するためのデータ)を返す目的でも使用されます。

ユーザーエージェントをもとに、以下のような情報を知ることができます。

・OSの種類
・ブラウザーの種類
・携帯端末からのアクセスの場合、携帯キャリア

 

これらの情報は、ウェブサイトのリニューアル時に動作環境テストをするブラウザーの範囲を決める際などに有効です。ローデータにおけるユーザーエージェントは、アクセスしている端末のブラウザーとOSの種類で異なります。

 

ユーザーエージェントを理解するうえでクローラーについても確認する必要があります。クローラ―とは、検索エンジンやRSSサイトが情報を収集するために作った自動巡回プログラムのことです。「ロボット」や「ボット」などと呼ばれることもあります。人が訪れるアクセスではないため「ノンヒューマンアクセス」とも呼ばれています。クローラーがサイトを訪れた際にもページをリクエストします。

 

クローラーからのリクエストの場合は、グーグルであれば『Googlebot』のような表示がされます。クローラーを解析対象にしてしまうと正しい判断を妨げてしまうので、排除する必要があります。

2.アクセス解析ツールとは

ウェブサイトのアクセス解析ツールには以下の3つの方法があります。それぞれのメリットデメリットがあるので、自社の状況に合わせた最適なツールを選定する必要があります。


1.サーバーログ方式
2.パケットキャプチャ方式
3.ウェブビーコン方式

 

1.サーバーログ方式

ブラウザからのリクエスト(端末がウェブサーバーに情報を求めること)に対して、ウェブサーバーが閲覧者にレスポンス(サーバーがリクエストに応じて求めたファイルを送信)を返答する。そのファイル名をログファイルに保存します。

 

ログファイルはもともとは「サーバーの負荷の状況の確認」や「不正アクセスの検知」といった目的のために活用されていましたが、ウェブサイトのビジネス活用が進むにつれて、ウェブサイトの人気コンテンツや検索ワードの把握といったマーケティング目的の解析にも使われるようになってきました。

 

2.パケットキャプチャ方式
インターネットを流れるパケット(ウェブサーバーとユーザーの間を流れるデータ)に焦点した方法です。すべての情報はパケットとしてインターネット上に流れています。このパケットをウェブサーバーが設置されているプライベートネットワークのハブにあるミラーポート(ハブを流れる全ての情報をそのままコピーして送る接続口)を用いてパケットのコピーをキャプチャ(収集)して、その膨大なパケットからウェブのアクセスログに関わるパケットだけを抽出し、つなぎ合わせてアクセスログを生成する方法です。

 

元々はネットワークの帯域利用状況を監視するために開発されましたが、現在ではマーケティング目的に活用されています。



第4回 ウェブ解析の設計とは①

前回はウェブ解析用語、KPIと計画立案について説明してきました。今回は今までお話ししてきた、事業分析を行い、KPIを定め、計画を立案した後、そのKPIを正しく取得でき、計画通り進んでいるかを確認する必要があります。そのためにはウェブ解析ソリューションを正しく設計しなければなりません。それらについて確認したいと思います。

<今回のテーマ>

1.ウェブサイトの仕組みについて

ウェブサイトの仕組について解説します。
2.ローデータの理解について
ローデータについて理解しましょう。

 


1.ウェブサイトの仕組について

この章では、少しテクニカルなお話になります。
「Internet Explorer」、「Google Chrome」、「Safari」など、インターネットを閲覧する際に使用するソフトウエアのことをブラウザーといいます。

 

ユーザーのパソコンから「あるサイトを見たい」とブラウザーにURLを指定すると、そのサイトがあるウェブサーバーへ「見せてください」と要求を出します。リクエストに対し「どうぞご覧ください」と返答があり、ブラウザーに表示されます。これらのウェブサーバーへのアクセス状況を自動的に記録したファイルをアクセスログといい、ウェブブラウザーがウェブサーバーに対してコンテンツをリクエストしたアクセスログの履歴のことを指します。


このアクセスログには、HTMLページ以外のコンテンツへのアクセスも記録されます。つまり、アクセスされたHTML内から参照している画像ファイル、CSSファイル、JavaScriptファイルなどもアクセスログへ記録されます。また、要求されたコンテンツが無事にレスポンスされたのかどうかといった情報も記録されます。アクセスログはユーザーの動きの記録であり、ユーザーの動きを知るための重要な解析対象です。なお、ブラウザーはパソコンに限らず、携帯やスマートフォンにも導入されます。

アクセスログはウェブ解析の元となるデータです。たいていの方はウェブ解析ツールを利用して集計、解析された結果を見ていますが、そのデータはアクセスログをベースにしています。DMPやIotの活用には、ますますアクセスログの直接解析が必要となります。まずはアクセスログの全体構造を確認しましょう。


アクセスログファイルは、解析ツールなどでまだ加工されていない状態のデータということからローデータと呼ばれることがあります。アクセスローデータには、サイト閲覧時のさまざまな情報が含まれており、アクセスローデータの構成要素を知ることでアクセス解析によって何が分かるのか理解できます。

2.ローデータの理解について

ウェブサーバーへのアクセス状況が記録されるアクセスログには、そのサイトで使用されているウェブサーバーの種類によって、またそのウェブサーバーの設定によって、さまざまな形式があります。

 

アクセスログの記録形式を理解することにより、記録されている情報の意味を理解できます。

 

<リファラ>
ブラウザーで表示したウェブページの直前に閲覧していたウェブページのURL情報をリファラ(参照元)といいます。レンディングページのリファラを調査することで、ユーザーが利用している検索サイトや検索キーワード、そしてこのページへリンクしている外部のウェブサイトなどが分かります。

 

<転送容量>
ウェブサーバーが配信するデータ量をしまします。

 

<IPアドレスとホスト名>
IPアドレスとは各コンピューターがインターネットに接続するときに与えられる識別子のことです。ホスト名はネットワークドメインとも呼ばれ、IPアドレスに紐づけられている名称のことで、DNS(ドメイン名サーバー)というサーバーで設定します。

アクセス元のIPアドレスでDNSを検索した際に紐づけられるホスト名があれば、ホスト名がログに記録されます。ホスト名を使用することで、ネットワーク上でそのPCやサーバーがどこに属しているかを簡単に判別することができます。

 

各種の指標を理解することでユーザーがどのような経路や動作を行っているかが把握でき、今後の設計を行ううえで重要となります。

 

次回はもう少し掘り下げてユーザーがどのような行動傾向にあるのか、今後どのようなことが予想されるのかを確認したいと思います。



第3回 KPIと計画立案とは

目標売上高が1,000万円、現状は800万円だとしたらその目標を達成するためには何人集客し、客単価をいくらにすればよいでしょうか。ウェブ解析を使って事業の成果につなげるためには、この質問に答えられなければなりません。企業ごとに戦略は異なりますが、重要なことは事業目標から逆算して求めることです。

<今回のテーマ>

1.ウェブ解析用語について

ウェブ解析の用語について説明します
2.KPIと計画立案について
KPIと計画立案の関係について解説します


1.ウェブ解析用語について

 

あなたは百貨店の店長です。店長として、まずその日の売上高が気になると思います。でも、気になるのは売上高だけでしょうか。あなたなら売上高以外に何を知りたくなりますか???

 

百貨店をウェブサイトにたとえると百貨店に入っている一つ一つの店舗が「ページ」にあたります。お客様(ユーザー)は何店舗に来てくれたのでしょうか。これをウェブ解析では「ページビュー数」といいます。百貨店を訪問したお客様は、延べ何人だったでしょうか?これを「セッション数」といいます。訪問の仕方も様々です。百貨店の正面入口(トップページ)に立ち寄っただけで去った人もいます(直帰)。


また、百貨店に入ったものの、いくつかの店舗の中をちらっと見て回っただけで買い物をせずに去ってしまった人もいます(離脱)。正面入り口からだけではなく、別の入り口から訪問したお客様もいます。お客様は百貨店に入ってから出るまでのどのくらいの時間を店内で過ごしたでしょうか(滞在時間)。百貨店は広告も行っています。テレビや新聞の広告で何回表示され、何人が広告を見てくれたでしょうか(インプレッション数)。どの広告を見て百貨店に来てくれたでしょうか(参照元)。何を求めて百貨店に来てくれたでしょうか(検索ワード、検索フレーズ)。何回買い物をしてくれたでしょうか(コンバージョン数)。


さらに1日に何回も出入りされるお客様もいます。重複訪問を除いた人の数は何人でしょうか(ユーザー数)。始めて百貨店に来たお客様は何人でしょうか(新規ユーザー数)、リピーターのお客様は何人でしょうか?

 

お客様がどんな人か知りたいと思いませんか?ウェブ解析では、クッキーやIPアドレスを使うことで、性別や年齢までは分からなくても、アクセス元の都道府県や企業、リピーターの訪問回数は分かります。これらの情報をうまく活用して、計画を立てて売上を伸ばしていくことが重要です。

2.KPIと計画立案とは

ウェブ解析を事業の成果につなげるには、どんな指標を測定すべきか検討する必要があります。達成すべき目標や成果というのは、分解していくと一つ一つの指標に分けることができ、その指標の達成度合いが事業の成果を表すものとみることもできます。ウェブ解析を事業の成果につなげるための重要な指標にKGI、KPI、KSFがあります。

 

KGI(Key Goal Indicator)
重要目標達成指標と呼ばれ、最終目標が達成されているかを計測するための指標です。

 

KPI(Key Performance Indicator)
重要業績評価指標と呼ばれ、KGIを達成するために必要なプロセスの達成度合いを計測するための指標です。

 

KSF(Key Success Factor)
KGIやKPIを達成するうえで決定的な影響を与える要因になります。

 

これらの指標を考慮して計画を立案する能力が求められます。例えばあなたが百貨店の広告担当だったとします。あと4ヶ月で売上前年比15%UPさせなければなりません。このままでは目標は達成できません。確実に目標を達成させるためには、しっかりとした計画を立てる必要があります。このケースのKGIは売上高15%UPです。KPIは客数、客単価です。そこであなたSNSを使用してまだ取り込めていない若者をターゲットにしました。1週間後に結果を確認すると客数は伸びたものの、客単価が下がり、売上自体も下がってしまいました。ここで方針を変更し、客単価の高い高齢者に向けてDMを発送したところ、計画通りの数字を確保出来ました。

 

このように、各指標を定め、計画を立て実施、確認、統制のサイクルが事業を成功させるために必要となります。ウェブ解析も同様で、どのようなプロセス、KPIを経てKGIを達成していくのかをあらかじめ定める確認することで、目標達成に近づけます。



第2回 WEB解析とは(2)

これからの時代必ず訪れるといわれる2つの事象として、「社会の多様性」、「社会のデジタル化」があげられます。社会が多様化すればそれぞれのニーズに合わせたマーケティングが必要になり、お客様の行動がデジタル化されればニーズやウォンツが簡単に解析することができるといわれています。これらをもう少し掘り下げて確認したいと思います。

<今回のテーマ>

1.WEB解析の重要性

WEB解析の重要性を解説します
2.事業分析について
事業分析について解説します


1.WEB解析の重要性

 

WEB解析はデジタル化されたお客様の行動を読み解き、その情報の重要性を知り、自分のビジネスに活かすための技術です。今後ますますデジタル化が進み、その技術の有効活用により、売上や利益の向上が見込まれます。このWEB解析のニーズが伸びてきた理由は3つあります。

 

①データ取得が手軽に、安価に行えるようになった
 要因としては、GoogleアナリティクスをGoogleが無料で提供していることがあげられます。また、各種のクラウドサービスなどを中心に大量のデータの取り扱いができるようになったこともあげられます。

 

②スマホをはじめとしたネット人口の広がり
 2010年頃にスマホが登場して、2015年までの普及率は72%と爆発的な勢いで利用者が増えてきました。これにより常にネットを利用する人が増え、お客様の行動が客観的に捉えられるようになりました。

 

③データの分析の重要性が理解されはじめた
 これらのことからお客様の様々な行動やニーズがデジタル化され、有効活用した企業が業績を向上させた事実から、その重要性が理解されはじめました。

 

ではWEB解析の目的は何なのでしょうか?解析の結果、様々な情報が収集されてSEOやネット広告の改善につなげていくのですが、それらはあくまでも手段でしかありません。最終目的は「事業に成果をもたらすこと」に尽きます。


WEB解析により、事業の成果を出すためには、数値データだけを頼りに行うと大きなリスクを伴います。自社の事業構造を踏まえることが重要になります。次に事業構造を確認するうえでの「事業分析(フレームワークを中心)」を確認したいと思います。

2.事業分析とは

WEB解析を進めていくと、どうしてもWEBサイトとそのプロモーション施策を中心に考えていきがちになります。事業の成果をWEBを通じて最大化するためには、そのような近視眼的になるのではなく、もう少しマクロな視点で事業を把握することが重要になります。事業分析を行う上での役立つビジネスフレームワークを以下にいくつか確認したいと思います。

ビジネスでのフレームワークとは、経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組みのことで、MBAなどで教わることが多く、ビジネスに必要とされるロジカルシンキングや発想法などを体系的にまとめたものといわれています。それぞれの場面ごとに使用するフレームワークは異なっています。

 

例えば、自社が置かれている事業の環境を見るときに最もよく使われているのが、『SWOT分析』を呼ばれるものです。これは外部環境を「機会(Opportunity)と脅威(Threat)」、内部環境を「強み(Strength)と弱み(Weakness)」に分けて、今後予想される機会に強みをぶつけたり、弱みを是正したりして事業の成功をあげていきます。

 

その他、当社の事業を他社と比較する際に用いるフレームワークに「4P分析(売り手目線)」、「4C分析(買い手目線)」があります。4C分析は下記の4つの言葉から成り立っています。

①Customer Value:ユーザーが得る価値。
②Cost to the Customer:ユーザーが負担するコスト
③Convenience:ユーザーの利便性
④Communication:ユーザーとのコミュニケーション

 

WEBサイトにおいて、購入の意思決定を行うのは買い手であるユーザーであるため、上記の4つの視点でお客様に有用性があってはじめて支持されることになります。これらを意識した事業運営を行っていきましょう。



第1回 WEB解析とは

皆さんも「マーケティング」という言葉を聞いたことがあると思います。また「ウェブマーケティング」という言葉も同じようによく耳にすると思います。それらは一体何なのか?なぜ今よく耳にするのか?その理由も含めて重要性を確認していきたいと思います。

<今回のテーマ>

1.マーケティングとは

マーケティングの基礎について解説します。
2.WEBマーケティングとは

インターネットを駆使したマーケティング手法について解説します。


1.マーケティングとは

 

(公)日本マーケティング協会によると、マーケティングとは、「顧客の欲求と満足を探り、創造し、伝え、提供することにより、その成果として利益を得ること」だと定義しています。

 

ちょっと堅苦しいですね(笑)もう少しかみ砕いて言うと、「お客様が欲しいと思うものを作ったり、見つけ出し、販売する仕組み」ぐらいだと思ってください。ではこのマーケティングを戦略として実践するとどのような流れになるのか、下記に示します。

 

 

簡単に説明すると、お客様をある一定の基準で分けて、自社がターゲットとするお客様を決めて、他社よりも良い商品や価格、販売促進、提供場所の切り口でそれらの整合性を取りながら販売することになります。

 

そして、5.マーケティングミックスは4つの切り口があるり、その一つに「販売促進」があります。販売促進とは、ざっくり言うと「お客様に自社の商品を知ってもらうこと」です。どんなにいい商品を作ってもお客様に知られなければ売れません。

 

具体的な手法として、広告やCM、展示会、メルマガ、接客、チラシなどなどです。WEBマーケティングとは、この販売促進の中の一つに過ぎないのですが、爆発的な伸びを見せてきており、売上を向上させるためには欠かすことができなくなってきているという現状があるのです。ではどれぐらいの伸び率なのかこれは次のテーマでお話します。

2.WEBマーケティングとは

インターネットを駆使したマーケティング手法の総称のことをいいます。

具体例をあげると、DM、バナー広告、SNSなどもウェブマーケティングに含まれます。オンタイムでお客様と情報を交換でき、双方向的なマーケティング活動が行なえる利点があります。

 

やり方によっては非常に効果の高いマーケティング効果を得られるといわれています。

 

マーケティングにおけるインターネットの重要性は年々上昇しています。電通の調査によると、2016年のインターネット広告費は1兆3100億円、全広告費の20.8%の構成比となっています。また、インターネット広告費の対前年比は二けたの伸び率にとなっており、主要4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)広告の前年比が99.6%にとどまる中で、その成長性が際立っています。

 

また、経済産業省の調査によると、2016年の消費者向けネット通販の市場規模は前年比9.9%増の15.1兆円に達しています。

このように、製品やサービスの広告・販売促進を行うメディアとしても、それらを販売するためのチャネルとしても、ウェブマーケティングの存在感は大きく向上し続けています。

 

マーケティングの視点からインターネットを捉えると、企業と消費者との間で情報をやり取りできるという情報の双方向性や、情報流通のためのコストの低さなどのメリットがあげられます。また、このほかに各種のマーケティング施策の効果測定が容易であることがあげられます。

 

インターネットの世界では、ウェブサイトにどのくらいの人が訪問したのか、どのページがどれぐらいの時間閲覧されたのか、商品やサービスがどのような経路で購入されたのか、これらを数値で把握でき、各種のマーケティング施策がどう反映したのかが分かります。インターネットの利点を有効に活用するためには、得られたデータを適切に解析し、次の戦略につなげることが重要になります。次回以降で具体的な解析方法などを説明したいと思います。